3月29日より西荻窪のお茶専門店
喫茶去一芯二葉さんのスペースをお借りして
「不思議の国のアリス」をテーマにした
小さな個展「Wonderland」を開催します。
先週に引き続き今回も
岩波少年文庫版「不思議の国のアリス」(訳:脇明子)から
本文を引用しつつ出展作品の一部をご紹介。
後ろ向きのアリス |
前回うしろ姿の写真のみ
UPしておりましたアリスですが
前を向くとこんな |
こんな感じになっております。
こちら側のアリス |
「『さあ、おきて、アリスちゃん!』と、お姉さんが言いました。
『ずいぶん長いお昼寝だったわね!』
『あーあ!すごくへんてこな夢を見ちゃった!』
アリスはそう言って、みなさんがたったいままで読んでいた
おかしな冒険のことを、思い出せるかぎりお姉さんに
話して聞かせました。話し終えると、お姉さんはアリスにキスをして、
『たしかに、ずいぶんへんてこな夢だったのね。だけど、あんたはもう
お茶の時間なんだから、走って帰ったほうがいいわよ。急がないと、
まにあわないわ』 そこでアリスは、立ち上がってかけだしましたが、
走りながらも、足元を気にせずにいられる暇さえあれば、
なんてすてきな夢だったんだろうと思いつづけていました。」
有名な作品なので
皆様ご承知であること前提で書きますが
アリスは「夢オチ」の物語。
つまり「Wonderland」は
アリスの中に広がっているのです。
この作品は「あちら側」(Wonderland)ではなく
「こちら側」(現実世界) のアリス。
目覚めた後は「お茶の時間」(喫茶去一芯二葉さん)
へと繋がるのです。
・・・と
もっともらしく書いておりますが
長く私の作品をご覧になっている方には
バレているかもしれませんが
私が作る「女の子」は
相変わらず「この顔」から
抜け出せないままなのでした。
チェシャー・ネコ |
「ネコはアリスを見ると、にやにやと笑いました。
気立てはよさそうだわ、とアリスは思いました。
でも、とても長い爪とたくさんの歯を持っているのはたしかですから、
ていねいにあつかっておくにこしたことはありません。
『チェシャー・ネコちゃん』ネコがそう呼ばれるのが好きかどうか、
全然わからなかったので、アリスはちょっとびくびくしながら、
そう声をかけてみました。でもネコは返事をせず、ただ、ますます
大きな口を開けてにやにやしただけでした。」
文庫版の表紙は
黒っぽい縞柄のネコでしたが
これに関してはディズニーのイメージに
あえて引っ張られ 紫の縞柄に。
ネコはあまり得意ではありませんが
このチェシャ猫は気に入っっております。
いじわるな顔でじーっと見てる感じが。
ドードー鳥 |
「『では、それをこちらへいただきましょう』
と、ドードー鳥が言いました。するとみんなはまたアリスをかこみ、
そのまんなかでドードー鳥がおごそかに指ぬきをさしだし、
『このうるわしき指ぬきをお受けくださるよう、われら一同、
つつしんでお願いいたす』と言いました。この短い演説が終わると、
みんなはいっせいに拍手しました。アリスは何もかもが
ひどくこっけいだと思いましたが、みんながあまんまり
まじめな顔をしているので、笑いたくても笑えませんでした。
写真では見えづらいのですが
手には「指ぬき」を持っております。
テニエルのイラストでは
鳥の羽根から人間の手が出ておりますが
その奇妙な感じはカット。
かわいさ優先で。
キノコの上のアオムシと水煙管 |
「『いまに慣れる』とアオムシは言いました。そして、
水煙管を口にくわえると、またプカプカやりはじめました。
今度はアリスも、アオムシがもう一度しゃべる気になるまで、
しんぼう強く待ちました。一、二分すると、アオムシは水煙管から
口を離し、一度か二度あくびをして、からだをぶるぶるとふるわせ
ました。そして、キノコの上からはいおりると、
『片端は大きくし、片端は小さくする』とだけ言って
草むらのなかへとはいっていきました。」
物語のアオムシは
ずいぶんつれない「塩対応」ですが
私の作るアオムシは
水煙管を吹かすにはやや不釣り合いな
キュートな感じに。
こちらもかわいさ優先で。
演じきれてないSally |
さて来週はいよいよ
「なりきりSallyシリーズ」のご紹介。
どうぞお楽しみに♪