3月29日より西荻窪のお茶専門店
喫茶去一芯二葉さんのスペースをお借りして
「不思議の国のアリス」をテーマにした
小さな個展「Wonderland」を開催します。
今回は岩波少年文庫版「不思議の国のアリス」(訳:脇明子)から
本文を引用しつつ出展作品の一部をご紹介。
ちっぽけな金の鍵 |
「するといきなり 、全体がガラスでできた、小さな三本足の
テーブルにぶつかりました。その上には、ちっぽけな金の鍵が
たった一つだけ置いてあり、アリスははじめ、これでまわりのドアの
うちのどれかが開くにちがいないと思いました。 」
芯にはモールを使って制作。
「細長形状」はニードルフェルティングには
不得意なかたちですが
過去の展示で「HITUZI HOTELの鍵」
という作品を作ったことがあり
当時試行錯誤した甲斐あって
今回は比較的スムーズにできました。
「この空間にはどうしてもそれが必要」
という意志は技術を後押しする。
それが「テーマありき」の展示の
おもしろいところでもあります。
小さなびん |
「 ところがそこにあったのは(さっきは絶対こんなものなかったわ)
小さなびんで、その首のところには紙の札がついていて、
それにはとてもくっきりした字体でワタシヲノンデと印刷してありました。」
角瓶なのです |
「細長形状」同様にフェルト向きでないのが
無機的フォルム&角(カド)を作ること。
柔らかさこそ羊毛フェルトの
最大の魅力なのだから
硬いモチーフを選ぶこと自体
不適切なのかもしれませんが
これも鍵と同じく「テーマに必要だから」。
角については単なる好みで。
(特に「角瓶」である必要はない)
ちょっとしたコツも要りますし
それなりに時間もかかるのですが
実はこの「角を作る」という作業が
ものすごく好きだったりするのです。
ぜひお手にとって「角感」を
お確かめくださいませ。
小さなケーキ |
「そうするうちに、ふとアリスは、テーブルの下に
小さなガラスの箱があるのに気がつきました。
開けてみると、そのなかにはとても小さなケーキが入っていて、
その上には小粒の干しブドウが、ワタシヲタベテという字の形に、
きれいにならべてありました。」
「EAT ME」のケーキを作るのは実は2回目。
以前「くりくりの本」のお仕事で制作した時は
ワンホールのケーキにしましたが
今回はカップケーキ風に。
文字は「干しブドウ」ということなので
紫のビーズを並べてみました。
底にマグネットが付いているので
冷蔵庫などにもペタンと飾れます。
眠たいヤマネ |
「ヤマネはいつのまにか目をとじて、うつらうつらしはじめていました。
でも、帽子屋がぎゅっとつねると、小さな悲鳴をあげて目をさまし、
話をつづけました。」
「モノ系」ばかり紹介してきたので
ちらりとキャラクター系もご紹介。
有名な「お茶会」のシーンに登場する
「ヤマネ」を約3cmシリーズとして制作。
丸BOXが冬眠用の穴のようにも見えます |
手に持っているのはティーカップ。
お茶を飲みつつうつらうつら。
私のアリスはこうなりました |
そしてこちらが
Sleepy Sheepのアリス。
今回はとりあえず後ろ姿のみちらり。
次週しっかりご紹介したいと思います。