2017年3月26日日曜日

Wonderland作品紹介(その3)



いよいよ近づいてまいりました。
3月29日より西荻窪のお茶専門店
喫茶去一芯二葉さんにて開催の
小さな個展「Wonderland」。

先週に引き続き
岩波少年文庫版「不思議の国のアリス」(訳:脇明子)から
本文を引用しつつ今回は「Sally」についてのご紹介。


Sleepy Sheepの看板作品が「うさぎのSally」で
会場はお茶の専門店。
「不思議の国のアリス」といえば
人気キャラクターはウサギであり
その名シーンといえば「めちゃくちゃお茶会」。

そういったつながりで頂いたテーマということで
登場キャラクター風にSallyを制作したところ
全く物語の世界観っぽくない作品に。
まるで「アリスの白ウサギの仮装をしたSally 」
といった感じなのでした。


白ウサギ風Sally(その1)




「でも 、そのウサギがチョッキのポケットから時計を取り出し、
ちょっと見てからすぐまた走りだしたとき、
アリスは飛び上がって、ウサギのあとを追いかけはじめました。」



冒頭に登場する白ウサギで
異世界へと誘う鍵となるキャラクターです。
もちろん本当は
「ピンクの目をした白ウサギ」 なのですが。

物語の躍動感とは対照的に静止した感じが
どうにもこうにもSallyであります。













三月ウサギ風Sally


「家の前には 一本の木があり、その下にはテーブルが
出してあって、そこでサ三月ウサギと帽子屋が
お茶を飲んでいました。」



お茶会シーンで登場する「三月ウサギ」は
「三月ウサギのように気が狂っている」
という 英語の成句を元に
キャロルが創作したキャラクターとのことです。 

テニエルの挿絵を見ると
頭に草っぽいものを乗せているのですが
これは「麦藁」だそうで
その時代の政治風刺漫画で
狂人を現す際の常套手段だったそうです。

そこも再現してみたところ
何だかへんてこな感じに。
ちゃんと着脱可能なので
その点はご安心(?)くださいませ。



ちなみに
「アリスをよく知らない」という方に
説明させていただきますと
「白ウサギ」と「三月ウサギ」は
別のキャラクターになります。










白ウサギ風Sally(その2)



「王さまのそばには白ウサギがいましたが、その片手には
トランペット、もう一方の手には羊皮紙の巻き物が
にぎられていました。」 



物語の最後の方で再び登場の白ウサギです。
もしかしたらテニエルの挿絵の中でも
「最もかわいい絵」かもしれません。

アリスをやるにあたり
真っ先に作ろうと思ったのがこの作品で
これができたことにより
展示全体が見えてきたように思います。

・・・と同時に
Sleepy Sheepの「不思議の国のアリス」は
ほんわかしたものになりそうだと
確信したのでした。

 

















blogで紹介した作品の他に
「♡の女王」と「帽子屋」も制作しました。
こちらは会場でのお楽しみということで
ぜひ探してみてくださいね。


ではでは
ご来場お待ちしております♪







※Sleepy Sheepは初日のオープン時
3日目(3/31)の夕方頃在廊予定となります。 
よろしくお願いいたします。




2017年3月20日月曜日

Wonderland作品紹介(その2)



3月29日より西荻窪のお茶専門店
喫茶去一芯二葉さんのスペースをお借りして
「不思議の国のアリス」をテーマにした
小さな個展「Wonderland」を開催します。

先週に引き続き今回も
岩波少年文庫版「不思議の国のアリス」(訳:脇明子)から
本文を引用しつつ出展作品の一部をご紹介。










後ろ向きのアリス



前回うしろ姿の写真のみ
UPしておりましたアリスですが















前を向くとこんな




こんな感じになっております。












こちら側のアリス




「『さあ、おきて、アリスちゃん!』と、お姉さんが言いました。
『ずいぶん長いお昼寝だったわね!』
『あーあ!すごくへんてこな夢を見ちゃった!』
アリスはそう言って、みなさんがたったいままで読んでいた
おかしな冒険のことを、思い出せるかぎりお姉さんに
話して聞かせました。話し終えると、お姉さんはアリスにキスをして、
『たしかに、ずいぶんへんてこな夢だったのね。だけど、あんたはもう
お茶の時間なんだから、走って帰ったほうがいいわよ。急がないと、
まにあわないわ』 そこでアリスは、立ち上がってかけだしましたが、
走りながらも、足元を気にせずにいられる暇さえあれば、
なんてすてきな夢だったんだろうと思いつづけていました。」






有名な作品なので
皆様ご承知であること前提で書きますが
アリスは「夢オチ」の物語。
つまり「Wonderland」は
アリスの中に広がっているのです。

この作品は「あちら側」(Wonderland)ではなく
「こちら側」(現実世界) のアリス。
目覚めた後は「お茶の時間」(喫茶去一芯二葉さん)
へと繋がるのです。




・・・と
もっともらしく書いておりますが
長く私の作品をご覧になっている方には
バレているかもしれませんが
私が作る「女の子」は
相変わらず「この顔」から
抜け出せないままなのでした。














チェシャー・ネコ


「ネコはアリスを見ると、にやにやと笑いました。
気立てはよさそうだわ、とアリスは思いました。
でも、とても長い爪とたくさんの歯を持っているのはたしかですから、
ていねいにあつかっておくにこしたことはありません。
『チェシャー・ネコちゃん』ネコがそう呼ばれるのが好きかどうか、
全然わからなかったので、アリスはちょっとびくびくしながら、
そう声をかけてみました。でもネコは返事をせず、ただ、ますます
大きな口を開けてにやにやしただけでした。」 






文庫版の表紙は
黒っぽい縞柄のネコでしたが
これに関してはディズニーのイメージに
あえて引っ張られ 紫の縞柄に。

ネコはあまり得意ではありませんが
このチェシャ猫は気に入っっております。
いじわるな顔でじーっと見てる感じが。














ドードー鳥


「『では、それをこちらへいただきましょう』
と、ドードー鳥が言いました。するとみんなはまたアリスをかこみ、
そのまんなかでドードー鳥がおごそかに指ぬきをさしだし、
『このうるわしき指ぬきをお受けくださるよう、われら一同、
つつしんでお願いいたす』と言いました。この短い演説が終わると、
みんなはいっせいに拍手しました。アリスは何もかもが
ひどくこっけいだと思いましたが、みんながあまんまり
まじめな顔をしているので、笑いたくても笑えませんでした。



写真では見えづらいのですが
手には「指ぬき」を持っております。

テニエルのイラストでは
鳥の羽根から人間の手が出ておりますが
その奇妙な感じはカット。
かわいさ優先で。












キノコの上のアオムシと水煙管



「『いまに慣れる』とアオムシは言いました。そして、
水煙管を口にくわえると、またプカプカやりはじめました。
今度はアリスも、アオムシがもう一度しゃべる気になるまで、
しんぼう強く待ちました。一、二分すると、アオムシは水煙管から
口を離し、一度か二度あくびをして、からだをぶるぶるとふるわせ
ました。そして、キノコの上からはいおりると、
『片端は大きくし、片端は小さくする』とだけ言って
草むらのなかへとはいっていきました。」





物語のアオムシは
ずいぶんつれない「塩対応」ですが
私の作るアオムシは
水煙管を吹かすにはやや不釣り合いな 
キュートな感じに。
こちらもかわいさ優先で。













演じきれてないSally





さて来週はいよいよ
「なりきりSallyシリーズ」のご紹介。

 どうぞお楽しみに♪










2017年3月11日土曜日

Wonderland 作品紹介(その1)




3月29日より西荻窪のお茶専門店
喫茶去一芯二葉さんのスペースをお借りして
「不思議の国のアリス」をテーマにした
小さな個展「Wonderland」を開催します。

今回は岩波少年文庫版「不思議の国のアリス」(訳:脇明子)から
本文を引用しつつ出展作品の一部をご紹介。









ちっぽけな金の鍵



「するといきなり 、全体がガラスでできた、小さな三本足の
テーブルにぶつかりました。その上には、ちっぽけな金の鍵が
たった一つだけ置いてあり、アリスははじめ、これでまわりのドアの
うちのどれかが開くにちがいないと思いました。 」




芯にはモールを使って制作。
「細長形状」はニードルフェルティングには
不得意なかたちですが
過去の展示で「HITUZI HOTELの鍵」
という作品を作ったことがあり
当時試行錯誤した甲斐あって
今回は比較的スムーズにできました。



「この空間にはどうしてもそれが必要」
という意志は技術を後押しする。
それが「テーマありき」の展示の
おもしろいところでもあります。













小さなびん




「 ところがそこにあったのは(さっきは絶対こんなものなかったわ)
小さなびんで、その首のところには紙の札がついていて、
それにはとてもくっきりした字体でワタシヲノンデと印刷してありました。」







角瓶なのです




「細長形状」同様にフェルト向きでないのが
無機的フォルム&角(カド)を作ること。

柔らかさこそ羊毛フェルトの
最大の魅力なのだから
硬いモチーフを選ぶこと自体
不適切なのかもしれませんが
これも鍵と同じく「テーマに必要だから」。



角については単なる好みで。
(特に「角瓶」である必要はない)
ちょっとしたコツも要りますし
それなりに時間もかかるのですが
実はこの「角を作る」という作業が
ものすごく好きだったりするのです。

ぜひお手にとって「角感」を
お確かめくださいませ。














小さなケーキ


「そうするうちに、ふとアリスは、テーブルの下に
小さなガラスの箱があるのに気がつきました。
開けてみると、そのなかにはとても小さなケーキが入っていて、
その上には小粒の干しブドウが、ワタシヲタベテという字の形に、
きれいにならべてありました。」 




「EAT ME」のケーキを作るのは実は2回目。
以前「くりくりの本」のお仕事で制作した時は
ワンホールのケーキにしましたが
今回はカップケーキ風に。

文字は「干しブドウ」ということなので
紫のビーズを並べてみました。

底にマグネットが付いているので
冷蔵庫などにもペタンと飾れます。
 













 
眠たいヤマネ


「ヤマネはいつのまにか目をとじて、うつらうつらしはじめていました。
でも、帽子屋がぎゅっとつねると、小さな悲鳴をあげて目をさまし、
話をつづけました。」




「モノ系」ばかり紹介してきたので
ちらりとキャラクター系もご紹介。

有名な「お茶会」のシーンに登場する
「ヤマネ」を約3cmシリーズとして制作。
 







丸BOXが冬眠用の穴のようにも見えます



手に持っているのはティーカップ。
お茶を飲みつつうつらうつら。













私のアリスはこうなりました




そしてこちらが
Sleepy Sheepのアリス。
今回はとりあえず後ろ姿のみちらり。


次週しっかりご紹介したいと思います。

















2017年3月5日日曜日

喫茶去一芯二葉さん




「茶」の看板を見つけたら路地の奥へ


ホームページやtwitter(@SSmonologue)
お知らせしましたが
3月29日より西荻窪のお茶専門店
喫茶去 一芯二葉」さんのスペースをお借りして
小さな個展を開催いたします。











ここにも「茶」 (この日は定休日でした)



一芯二葉さんと初めてお会いしたのは2012年。
同じく西荻窪にある焼き菓子のお店
モイスェン」 さんの2Fで開催した
「Face」展でのことでした。


その時初めて私の作品をご覧頂いたのに
いきなりSallyの顔だけの大きな作品
「Thinking Sally」を買って下さり
ひどく驚いたものでした。


Thinking Sally (2012)









それからも何度か展示にご来場頂き
お買い上げ頂いた作品を
お店に飾ってくださったりと
一芯二葉さんを通して
Sleepy Sheepの作品を知ってくださる方も
ちらほらいらしたりして
私にとってはありがたいことだらけなのです。



 



cicao&ホッホーもちょこんと



そんな中
昨年の「Slowly」展でお会いした時に
一芯二葉さんでの展示を
ご提案いただいたのでした。







お茶や茶器がずらり

合間にユニークな雑貨も





雑貨屋さんのギャラリースペースや
焼き菓子屋さんの2階などで
展示したことはあっても
お店の売り場スペースに絡めての展示は
いろんな展示をしてきた私にとっても初めてのこと。











アリスグッズもあります



そして今回は一芯二葉さんから
「不思議の国のアリスはどうでしょう?」
というテーマのご提案も。

個展で「物語的なもの」はやって来なかったので
こちらも私にはチャレンジ要素。











アリスにまつわるお茶も



昨年の個展が
「すべての条件を私がやりやすいように」
というような展示だっただけに
その振り幅を我ながらおもしろく感じたのでした。











コスプレしてがんばってる感満載のSally


さて
どうなりますことやら。

このブログで
少しずつ出展作品の紹介なども
していけたらと思っております。








自己紹介

自分の写真
Tokyo, Japan
SleepySheep(フェルト作家) www.sleepysheepsoap.com/